よく分かる「STD・妊娠・レイプ」
 学生必読! 必ず役立つ性知識


 開放的で楽しいはずの夏休み。けれど、休み後の全国の医療相談機関ではSTD(性感染症)・妊娠・レイプなど性にまつわる相談が激増する。みんなで渡れば恐くない! でも、みんなって誰? 「男なんてそんなもの」、「女はみんなこうなんだ」。知ったかぶりが一番危険。今回は、性と妊娠等の相談を担当しているベテラン助産師の秋葉良子さんのお話など※を中心にまとめた。「イメージ」と「現実」の違いを、しっかり認識することから、まず始めよう。


強姦編 〜合意なき性行為はすべてレイプ=凶悪犯罪!〜



<イメージ>
スケスケのキャミソールやミニスカートの女性が夜道を歩いている。その姿を偶然見かけた通りすがりの見知らぬ男が突然欲情して、衝動的に道端の暗がりで犯行に到る。ほとんどのテレビ・映画・小説・マンガでの強姦シーンは驚くほど類型的。
<現 実>
今回の「スーパーフリー事件」もそうだったように、多くのレイプは顔見知りの男性によって計画的に行われる。それも、暗い夜道などではなく室内(多くは加害者か被害者の家)で、恐怖のあまり口もきけない無防備な被害者を襲うのだ。レイプは、必ずしも女性のセクシーな姿に悩殺されて無計画に衝動的に道端で行われるわけではない。
対策
女性
 すきを作らない! 飲み会で潰れない、アルコールは判断力を鈍らせるから、用心してしらふでいる。「飲み会でしらふ?! 冗談じゃない」と言うなら、危険が迫ったら大声でわめいて自己主張する。恐くて声も出せず、ついに逃げることもできなかったら、絶対に一人で悩まず身近な人に相談し、すぐに警察や病院の救急部へ連絡してもらう。犯罪の立証のためには、辛いけれど衣服を着替えたり、シャワーを浴びたり、歯をみがいたりせず、そのまま病院へ。悪いのは被害者ではなく、加害者なのだということを忘れずに!
男性
 多くのドラマ・小説・マンガ・ビデオで再現される強姦シーンにダマされちゃいけない!いつのまにか強姦が犯罪であるという認識を忘れ、「ちょっと荒っぽいセックス」のように思い込んでいないか? 「『やめて』と言われてやめるバカがどこにいる」とか、「部屋まで来たら女はヤル気十分だ」とか、自分にだけ都合の良い思い込みがあるんじゃないか? さらには、「女のイヤヨはイイのうち」なんてコテコテのオヤジ思考にはまっていないかな? こんな考え方が愛する女性に逃げられたり、生涯の伴侶から見放されたりする元凶なのだと、胆に銘じよう!



STD(性感染症)・妊娠編 〜体の傷は治せても、心の傷は深く後々まで影響が…〜



<イメージ>
 小・中・高とHIV関連の性教育を受けていて知識はバッチリだ。STDなんて人を選べば大丈夫。だから自分が感染するわけがないけれど、万が一感染しても薬ですぐ治せるじゃないか。望まない妊娠もイヤだけれど万一の時は中絶だってできるし…。まだ、学生だし、やっぱ他人事かな。
<現 実>
 「約2割の確率」と言われたら、これが宝くじなら「素晴らしい高確率だ!」と、みんな当たる方にかけて競って買うだろう。ところが同じ2割でもSTDや妊娠だと「なんと低い確率か?! 自分はアタラナイ」と思い込む。こんな身勝手な思い込みが悲劇を生む。「STD対策と避妊ならコンドーム」とは誰もが分かっているが、男性の協力が不可欠。「毎回付けてとは言いにくい」という女性も多く、装着をめんどくさがる男性もいる。クラミジアなどのSTDに無関心で治療も行なわずにいると、より深刻なHIV感染リスクが2〜4倍になる。しかし、現実にSTDに感染したり望まない妊娠をした場合、投薬や手術で危機はしのげるだろう。だが、問題は体の傷より心の傷だ。心身ともに女性に圧倒的に負担がかかる。更年期になって精神的な問題が表面化するなど、心の傷は後々まで残る場合もある。
対策
女性
 STDや妊娠の可能性は誰にでもある。「コンドームを使ってね」と気軽に言おう! それを拒否するような男と「2人でリスクを背負いあう関係」を結ぶのは危険。深い心の傷を負ってから泣くよりは、自分の身は自分で守ることを考えよう。セックスも結局はコミュニケーション能力が基本なのだ。いくら知識があっても実際の場で自分の意志を相手に伝えられなければ、心豊かな男女関係や性生活は成り立たない。
男性
 「コンドームを付けよう!」これに尽きる。STDや妊娠、HIVから自分と相手を守るため、エイズキャンペーンの標語のように「やるなら付けろ、付けないならやるな」ということを常識にしよう。STDを放置すると性器が炎症をおこし、HIVが侵入しやすくなる。エイズの根本的な治療方法がみつかっていない以上、たとえ今は恋人や妻がいなくても、自分が感染しないように身を守ることが、将来の恋人や家族を守ることになるのだ。


(2003年7月17日掲載)