学生不祥事に関する、学生意識調査報告

 この夏、早稲田の杜を震撼させた2つの不祥事(恐喝罪および準強姦罪で起訴された事件)が、マスメディアにも大きく取り上げられ社会的波紋をよんだ。 学生部は、事件が学生にどのような影響を与えたかを調べ、今後の改善策を図るべく、7月17日から31日にかけてWaseda-netポータルを通じて無作為抽出した3,000人の学生を対象にアンケート調査を実施した。 回答率33.7%(1,011人)は、試験中で夏季休業を間近に控えたこの時期の調査としては、高い値といえる。協力を惜しまなかった学生の皆さんに心から謝意を述べたい。
(学生部)


▲グラフ1
今回の事件をめぐる大学側の以下の対応について知っていますか?(複数回答可)
大学の対応への認知度、評価
 事件発生直後の「学生部長からの全学生個人宛メール」(本紙1001号にも掲載)は、大学側の姿勢を示し、学生諸君のモラル面での一層の向上を求めるものだった。このメールを9割近い学生が知っており、メールが効果的な伝達手段であることが改めて確認された(グラフ1参照)。また、これらの対応に関して意見を自由記述で求めたところ、900人近い回答を得た。寄せられた回答を分類すると、学生の過半数が大学の対応を「評価する」と考えており、関係箇所の迅速な対応が評価された(グラフ1-付参照)。

▲グラフ1-付
これらの対応についてどう思いましたか?(自由記述)



▲グラフ2
今回の事件の背景について、あなたは「一部の学生が起こした一過性の事件である」と思いますか?
▲グラフ2-付
今回の事件の背景について、あなたは「一部の学生が起こした一過性の事件である」と思いますか?(学年別)
事件の認識
〜一部の学生が起こした一過性の事件だと思うか〜

 本事件が一部の学生が起こした一過性の事件かどうかを尋ねたところ、肯定と否定の評価が大きく分かれることとなった(グラフ2参照)。また、学年が上がるにしたがって否定の割合が大きくなる傾向が認められる。(グラフ2-付参照)
 「いいえ」と回答した学生のみにその理由を求めたところ以下のような意見が挙がった。「不特定多数のサークルが存在していて、今後、同じような犯罪をおかすサークルがありそう」、「寛容な校風には彼らのような存在を見逃すリスクが伴う。われわれは自由を享受する代わりに、常に自分を律する意識を持つことが、今後さらに求められると思う」、「どこの大学のサークルでもアルハラ・セクハラが起きている。今回の事件はその延長線上にある」、「偏差値に関係なく、社会性、常識のない若者が増加しているように思う。早大生も決して例外ではない」、「学生の自主性に任せすぎる大学にも少しは責任があると思う。もう少し徹底した厳格なサークル管理をするべき」など。


▲グラフ3
今回の事件のせいであなた自身に不利益になるようなことが起こりましたか?
事件の影響で受けた不利益
 本事件によって、不利益が「起こっていない」と約7割の学生が回答している。他方、交友関係や家族、サークルを通じてマイナス面があったとする回答が3割あった(グラフ3参照)。「起こっている」と回答した学生にその内容、発生場面を内容別に分類すると、グラフ3-1,2のようになった。


▲グラフ3-1
それはどのような場面で起こりましたか?(複数回答可)
※「その他」の値が高いのは不利益の内容に「早稲田全体のイメージが下がる」など、場面を特定できない内容を挙げた学生が多かったことが考えられる。
▲グラフ3-2
その内容はどのようなものですか?(自由記述)



▲グラフ4
今回の事件で、あなたの早稲田大学に対するイメージは変わりましたか?
大学へのイメージの変化
 この事件によって学生の本学に対するイメージが変わったか質問したところ、8割近くが「変わらない」と回答した(グラフ4参照)。大半の学生にとって、本事件が早稲田大学への印象に大きな影響を与えることはなかった。
 「変わらない」理由として、例をあげると、「ごく一部の学生が起こした事件であって、伝統ある早稲田大学の質は変わらないと思う」、「いろいろな人間がいるのが早稲田だから」、「もともと早稲田には5万人近い学生がいて予想もつかないさまざまなことが起きるから」、「大学とは一切関係がない個人によるものであるという理解を徹底すべき」、「早稲田のサークルだからではなく他大でも耳にすることなので、イメージは変わらない」、「『自由である』が早稲田のイメージ。その自由さを勘違いする一部の学生のせいで、自由さが制限される必要はない」などが挙がった。
 逆に「変わった」理由として「頭がよく個性的な人がすごく多いイメージだったが、常識を知らない人も多いのかと思った」、「自由で活気のある大学だ
と思っていたが、負の面もあることを痛感した」、「伝統ある大学という世間の評価に甘えている気がします」などの意見があった。


まとめ
 本調査実施前後から本学は学生諸君の自由闊達な課外活動を最大限保障しつつ、サークル活動などが社会的な常識、モラルを逸脱することがないように配慮してきた。本事件は本学にとって、ともすれば一人ひとりの学生の姿が見えにくくなっている現状を反省させるものであった。本学は事件の教訓を真摯に受け止め、この意識調査の結果を生かし、教職員、学生間の双方向性の「コミュニケーション型のキャンパスづくり」に今後も努力する方針である。
(2003年10月9日掲載)