裁判の概要3



●裁判長

  中谷雄二郎裁判官

  ■これまでに判決を下した裁判例

  2002年6月26日
  元オウム真理教幹部・新実智光( 38歳・26人を殺害 )に死刑判決
  http://www.geocities.co.jp/Bookend-Ohgai/1901/cfile/cfile5.html

  2003年6月10日
  男性3人を刺殺し遺体を川に投げ捨てた安藤義雄( 56 )に死刑判決
  http://independence.fc2web.com/030610zakzak.htm

  2003年8月5日
  女子中高生に強姦を繰り返した藤井貴満( 31 )に懲役20年の判決
  http://independence.fc2web.com/030715zakzak.htm
  ※藤井とともに強姦を繰り返してきた高橋重智( 34 )は判決前に拘置先で自殺
   http://independence.fc2web.com/030715zakzak.htm

●検察官

 複数の事件で立件されている被告人の証拠調べ手続の際は3人とも出廷することが多い。
 その他の被告人の際や論告求刑等の場合は吉野弦太検察官1人が出廷することが多い。

  吉野弦太検察官
  ほぼすべての公判に出廷。 尋問の段取りがよく迅速。 関西弁の語調で抑揚をつける。
  畳み掛けるように被告人を追及する。 電話帳の約2倍の厚さのファイルを8〜10冊ほど
  台車で運んでくる。 論告求刑等の場合は濃紫の風呂敷で書類を包んで出廷する。  

  鶴田洋佐検察官
  吉野弦太検察官の補佐的立場。

  澤田康広検察官
  吉野弦太検察官の補佐的立場。 長身で恰幅がよく、白髪交じりのオールバック。

●弁護人

 16人( 女性1男性15。 50〜60代が多い様子 )
 ※国選・私選の別は不明だが、岸本英之らが依頼した私選弁護人との見方もある。

 ( 参考 )国選弁護人の弁護を受ける被告人・・・全体の2/3以上( 司法の窓 第55号 )
      http://www.courts.go.jp/kouhou/mado_old55/hou.html
      ※司法の窓・・・裁判所広報誌( 5月・10月の年2回発行 )

 ・小原恒之弁護士( 司法試験予備校の講師・写真前列右端 )
  http://www.itojuku.co.jp/view/jukudayori/topics/34/koushi/

●被害者女性の現状と処罰感情

公判で検察官により書証等が読み上げられた。

2003年05月18日( 20 )
事件の後遺症で過換気症候群に罹患している。
事件で過度の緊張状態が続いたため、ふとした緊張で症状が現れる。
そのため、電車に乗った際やアルバイトの面接の際などに不都合が生じている。
被告人側からの金銭は気持ちが悪くて受け取れない。
示談には一切応じるつもりはなく、厳罰に処してほしい。
被告人らは一生刑務所に入れておいてほしい。

2001年12月19日( 19 )
取調べなどで事件のことを聞くと、今でも自然と涙が出る。
事件後、精神的ショックでゲッソリとやせた。
日常生活のあらゆる場面で事件のことが頭に思い浮かんでしまう。
一生事件のことを忘れることはできないんだと思った。
実家の親にはいまだに打ち明けられない。
事件を知らない親がスーパーフリーを引き合いに出して「 気をつけるんだよ 」 と言ってくれた。
それがとてもつらい。
これまで拒絶してきた損害賠償金の受領を考えている。
ただ、たとえ損害賠償金を受け取ったとしても被告人を許すことはできない。

2003年04月27日( 18 )
事件の後遺症で過食症と睡眠障害を患っている。
食べては吐くということを繰り返している。
いけないと思うが、食べている間だけは事件のことを考えなくて済むのでやめられない。
「 強い憤りを感じています。 絶対に許すことはできません 」
「 私の夢と大学生活を返してほしい 」

( 参考 )母親から検察官と裁判官への手紙
「 娘はリビングのソファに座ると突然泣き出しました。 理由を聞いてみると、事件に遭った( 約20名に強姦された )ということでした。 娘は過食症になり、食べては吐くということを繰り返しています 」
母親が娘が過食症になったと気付いたときの状況が説明される。
2003年5月に家の中に蝿が飛び、ねずみの死骸のような腐臭が立ち込めていた。
母親が不審に思い家中を探してみると、風呂場の排水溝におでんが入っていた。
家族に過食症を気付かれまいと娘がそこに吐いたようだった。
当初は事件のことを知らず叱ってしまい、気の毒なことをした。
過食症は事件から1週間後にあらわれた。
大量のうどんにミートソースをかけるなどして食べては吐いた。
大量の食料を買い込むため、家族全体のごみより娘の部屋からのごみの方が多い。
朝方、うなされているのか意味不明のうめき声を上げることがある。
吐くと体温が下がり、室温を30℃にしても寒さを訴えた。
何も助けてやることができず、身が張り裂ける思いだ。
こちらから寛大な処分とは口が避けても言えない。
示談金の支払に応じたのは宥恕するためではなく、懲罰的な意味でのこと。  

( 参考 )「 心的トラウマの理解とケア 」
( 編集:厚生労働省 精神・神経疾患研究委託費外傷ストレス関連障害の病態と治療ガイドラインに関する研究班 )
強姦は犯罪被害のなかでもっともPTSD発症率が高く、精神的ダメージが大きい。 米国で行なわれた大規模調査によれば、男性では戦争体験への曝露が、女性では強姦と性的いやがらせが、その後にもっともPTSDを引き起こしやすい外傷体験であるとされている。
強姦被害者の約半数にPTSDが発症する。 成人の女性を対象とした調査では、何らかの被害を受けたことのある人達は被害を受けたことのない人達に比べて、精神的破綻、自殺念慮、自殺企図の割合が有意に高く、中でも強姦既遂・未遂と性暴力未遂体験者は、他の強盗既遂・未遂などの被害体験者よりも多くの問題を持っていたという。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4840728402/ref%3Dpd%5Fsim%5Fdp%5F2/250-270195-6843418

●被害者女性の証言への配慮

 幸いなことに今回の事件では被告人全員が起訴事実をほぼ全面的に認めていることもあり、被害者女性の法廷での尋問はない。 なお、ビデオリンク方式等の新設により、被害者女性の証言にあたって様々な配慮がなされている。

 ビデオリンク方式( 刑事訴訟法157条の4 )
 被害者などが、法廷外からビデオモニターを通じて証言や意見陳述をする方式。 刑事訴訟法の改正で、2001年6月1日から施行された。 今年8月末までに延べ282人が応じた( 2003年11月4日付読売新聞 )

  ビデオリンク方式による証人尋問( 裁判所広報誌「 司法の窓 」 )
  http://courtdomino2.courts.go.jp/mado.nsf/0/e97df70001744d5549256b6b005451d4?OpenDocument

 その他の制度
   ( 従来からあったもの )
  ・期日外尋問( 刑事訴訟法281条・証人を公判期日外に裁判所で尋問する )
  ・裁判所外尋問( 刑事訴訟法158条・証人を裁判所の建物の外で尋問する )
  ・対審の非公開( 憲法82条2項 )

  ( 2001年6月1日から新設されたもの )※運用としては従来からあった。
  ・付添い( 刑事訴訟法157条の2・家族などの付き添い )
  ・遮へい( 刑事訴訟法157条の3・被告人との間に遮へい物を置いて顔を見せなくする )